紹介営業のタイミングはいつ?お客様が満足を口にした瞬間にお願いする
「紹介してください」と言いたいのに、言い出せないまま帰ってきた。そんな経験はありませんか。紹介は、お願いの言葉より、お願いする「時」で決まります。
言い出せないのは、お客様を大切に思っているから
紹介のお願いをためらう営業の方は、とても多いです。厚かましいと思われたくない。せっかくの関係を壊したくない。
その気持ちは、お客様を大切にしている証拠です。ただ、こちらが黙っていると、お客様も「紹介してもいいのかな」と迷ったままになります。
紹介は、お客様にとっても少し勇気のいることです。だからこそ、こちらから自然な入口を用意しておくことが、ひとつの親切になります。
いちばん自然なのは「満足が言葉になった瞬間」
ライクヘルドは、お客様が「友人や知人に勧めたいと思うか」を、会社の成長を見る大切な物差しとして示しました。勧めたい気持ちがいちばん高まるのは、満足が言葉になったときです。
たとえば、こんな場面があります。
- 納車や引き渡しの日に「ほんとうに良かった」と言っていただいたとき
- 困りごとを一緒に解決して「助かりました」と言われたとき
- 点検やアフター訪問で「おかげさまで快適です」と聞けたとき
- ご担当者から「お願いしてよかった」と声をかけていただいたとき
このとき、まずはこちらも素直にうれしさを返します。そのうえで、一言だけ添えます。
「そう言っていただけて、本当にうれしいです。もしまわりに、同じことで迷っておられる方がいらしたら、私のことを思い出していただけますか」
「今すぐどなたか」と迫る必要はありません。思い出していただく約束をするだけで、十分な一歩です。
避けたいタイミングもあります
反対に、お願いしないほうがよい場面もあります。
- ご契約の直後。まだ満足は始まっていません
- 不具合やご不満が残っているとき。先に解決が先です
- お急ぎのときや、ほかの方がいて断りにくい場
紹介は、お客様が気持ちよく応えられるときにだけお願いするものです。断りにくい場でのお願いは、積み上げた信頼を少しずつ削ってしまいます。
迷ったら「今お願いして、お客様は笑顔で答えられるか」と自分に問いかけてみてください。少しでも迷うなら、次の機会で大丈夫です。
紹介をくださりそうな方の名前を挙げておく
タイミングをつかむには、準備が要ります。あらかじめ、紹介をお願いできそうなお客様の顔を思い浮かべておくのです。
クリストファーらは、お客様との関係を、はじめてのお客様から、応援してくださる方、すすんで勧めてくださる方へと上がっていく「はしご」として表しました。名前を挙げることは、いまどの段にいらっしゃるかを確かめる作業でもあります。
手元の紙に、次のような方を書き出してみてください。
- 最近「良かった」と言ってくださった方
- 何度もご相談をくださる方
- 面倒見がよく、まわりから頼られている方
名前が少なくても、落ち込むことはありません。関係を深めたい方がはっきりした、ということです。
書き出した方には、次にお会いする予定を入れておきます。会う機会がなければ、自然なタイミングも生まれないからです。
お願いしたあとも、関係は何も変わらない
紹介のお願いは、一度で結果が出るものではありません。その場で「わかりました」と言っていただけても、実際にご紹介が来るのは何か月も先かもしれません。
ですから、お願いしたあとに態度を変えないことが大切です。紹介が来ないからと連絡を減らすと、お客様は「紹介のために付き合っていたのか」と感じてしまいます。
モーガンとハントは、信頼と「この関係を続けたい」という気持ちが、長い関係の土台になると示しました。紹介は、その土台の上に、ある日ふっと生まれるものです。
お願いは軽やかに一度だけ。あとは、これまでどおり誠実にお付き合いを続けます。お客様が「そういえば」と思い出してくださる日を、焦らずに待ちましょう。
もし「今は思いつかないなあ」と言われても、それで十分です。「ありがとうございます。気にかけていただけるだけでうれしいです」と返せば、お願いは気持ちよく終わります。
業種別のヒント
- 自動車販売:納車の日と、最初の点検の日。乗ってみての感想を聞いたときが自然な入口です。
- 不動産:お引き渡しのあと、暮らしが落ち着いたころ。「住んでみていかがですか」の一言から始めます。
- 法人営業:導入した仕組みが成果を出しはじめたとき。ご担当者が社内で評価された話を一緒に喜ぶ場面です。
明日からの一歩
- 紹介をお願いできそうなお客様の名前を、三人書き出す
- 「思い出していただけますか」の一言を、自分の言葉で言えるようにしておく
- 次に「良かった」と言われたら、うれしさを返したあとに一言だけ添えてみる
あなたの「繋」の力を確かめる
この記事は、トラスト(信頼)営業チェックの問25「満足のタイミングで紹介をお願いしている」と、問28「紹介をくれそうなお客様の名前を挙げられる」に対応しています。ほかの力もあわせて、40問で今の自分を確かめてみませんか。
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