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【スポーツクラブ】「コーチが足りない」の正体

クラブの代表の方とお話しすると、ほぼ必ず出てくるのが「コーチが足りない」という言葉です。土日の練習を回すのがやっと、誰か一人が体調を崩すと学年をまとめて見るしかない。そんな綱渡りの運営を、何年も続けているクラブは少なくありません。

ただ、外部のパートナーとして中に入って話を聞いていくと、「足りない」の中身はクラブごとにずいぶん違います。本当に人数が足りないクラブもあれば、人数はいるのに特定の人に仕事が集まっているクラブもあります。平日の夕方だけ足りないのか、遠征や大会の引率だけ足りないのか。中身が違えば、打つ手も変わります。

私がまずお願いするのは、一週間の練習と運営の仕事を、時間帯ごとに紙に書き出すことです。月曜の17時から19時は低学年の練習でコーチが二人必要、土曜の午前は三学年が重なるので四人必要、というように。そこに「今、誰が入っているか」を書き込むと、穴の位置がはっきり見えてきます。

すると多くの場合、足りないのは「コーチ」というより「特定の時間に来られる人」だとわかります。平日夕方に来られるのは、学生や時間の融通がきく働き方の人、シニア世代です。土日の午前なら、会社員の保護者やOB・OGにも声をかけられます。誰に声をかけるかは、穴の位置から逆算して決めるものなのです。

もう一つ見えてくるのは、指導以外の仕事の重さです。会費の集金、グラウンドの予約、大会のエントリー、連絡網の管理。こうした仕事をヘッドコーチが一人で抱えていると、本人は「指導者が足りない」と感じますが、実は足りないのは事務の手です。事務なら、競技経験のない保護者や地域の方にもお願いできます。

ある少年サッカーのクラブでこの表をつくったところ、土日はむしろコーチが余っていて、足りないのは水曜の夕方だけだとわかりました。そこで「水曜17時からの1時間半だけ」という募集を出したところ、定年を迎えた元小学校の先生が手を挙げてくださいました。「毎週土日も」と頼んでいたら、きっと断られていたと思います。

書き出すときは、仕事を「指導」「見守り」「事務」の三つに分けておくと、さらにはっきりします。指導は競技の知識が要りますが、見守りは練習中の安全を見る役で、経験がなくても務まります。事務は平日の夜や自宅でもできます。三つに分けるだけで、声をかけられる相手の幅が一気に広がります。

そして、できればこの表をコーチ仲間や事務局と一緒に眺めてください。代表が一人で「足りない」と思い込んでいた穴が、実は誰かが黙って埋めてくれていた、ということもよくあります。その人にお礼を言うきっかけにもなります。

「コーチが足りない」と嘆く前に、何が、いつ、どれだけ足りないのかを言葉にする。それだけで、募集の文面も、声をかける相手も、驚くほど具体的になります。人を集める仕事は、穴を正確に知るところから始まります。

この章では、コーチやスタッフの採用と、会員・保護者・ボランティアの仲間集め、そして集まった人が残ってくれる仕組みについて、順番にお話ししていきます。

明日の練習前にできること

今週の練習と運営の仕事を時間帯ごとに書き出し、人が足りていない枠に印をつけてみてください。

スポーツクラブの運営・仲間づくりのご相談

株式会社TANEDAは、外部のパートナー(仲間)として会社や団体の中に入り、人が集まり、育ち、続いていく組織づくりを一緒に進めています。会社や団体でスタッフ・事務局を採用するときは、広告費をかけずに、engage・Indeed・Airワークなどの無料求人媒体で採用する仕組みづくりもお手伝いしています(同じエリアの同じ業種では1社だけとご一緒しています)。

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